ブロックチェーンを利用したカーボンオフセットと課題
近年、KlimaDAOやRegen Networkなどのブロックチェーンを利用した「カーボンオフセットクレジット」を開始するイニシアチブが多く見られるようになりました。
その理由は、炭素排出している企業がクレジットを支払う従来の仕組みは、古くインセンティブに欠けていると言われ始めているためです。
そこで、上記のプロジェクトなどは、他の仮想通貨と同じように炭素クレジットをトークンで取引できるインフラを構築しています。
データをオンチェーンにすることで透明性が高まり、従来の課題であったクレジットの二重計上が解消されると考えられています。
ReFiの取り組みを進めているKlimaDAO(クリマダオ)とは
まだ、現状では市場価格は安定していませんが、DeFiにおける炭素需要は市場に影響を与えつつあります。
Regen NetworkのSarah Baxendell氏は、
「私たちはグローバルな炭素会計にブロックチェーンの仕組みを活用することに関心がある。大きなデータセットをチェーンに取り込み、その環境下で価格の透明性を高める最高の機会だ」
と述べているように、データの公開でより明確で、まとまりのある議論ができるとしています。
一方で、カーボンクレジットには炭素水素クレジット、林業用カーボンクレジット、天然ガス用カーボンクレジットなど、様々な種類がありますが、オーストラリアが行った調査によると、同国の中央気候変動政策で作り出されたカーボンクレジットの約20%については、実際の炭素削減量を表していないとされています。
カーボンオフセットクレジットが高品質であり続けるためには、発生する温室効果ガスを代替するという基本原則を満たしていなければなりません。カーボンオフセットクレジットを利用した場合に、最低でも自分で排出した炭素を削減した場合と同程度に世の中が豊かになる必要があります。