アメリカ運輸省、ドローン活用のためのブロックチェーン利用例を紹介
アメリカの運輸省が4月、「無人航空機システム(unmanned aircraft system:UAS)のためのブロックチェーン」を発表しました。(ここでいう無人航空機システムとは、主にドローンのこと)
アメリカではドローンは、重量によりレクリエーション用と商業用に分かれており、2017年末の時点のレクリエーション用ドローンは推定110万個、2024年は139万から159万と予測されています。また商業用ドローンの登録数は、2017年末までに11万を超えました。
2024年末には82万8,000機を超えると予測されており、さらに重量の大きいプロフェッショナルドローンもあり、これらの多くは連邦政府、州政府、地方自治体、国の研究機関で運用されています。
2019年にはガーナで医療用ドローンデリバリーサービスが始動
今回の発表ではドローンの使用用途として、薬や移植用臓器の運搬、火炎放射器や機関銃の操作などを挙げています。
アフリカのガーナでは、2019年に世界最大の医療用ドローンデリバリーサービスが正式に開始し、148種類のワクチン、血液製剤、その他の重要な医薬品をドローンで運んでいます。
しかし、ドローン運用には、整合性やコンプライアンスに関係する問題も抱えています。
IBMのブロックチェーンソリューション、アソシエイトパートナーであるハイ・チャンツ氏は、実物大の航空機の運用妨害、致命的な場所への武器や危険物の運搬、写真撮影によるプライバシー侵害、センサーや破壊的電子機器の運搬によるハッキング補助などを懸念しています。
ボーイング、NASAなども開発に参加
2018年にはボーイングが、人工知能(AI)とブロックチェーンテクノロジーを使用するドローントラフィック管理システムの開発を発表しました。このシステムは、選択された交通経路を飛行するすべてのドローンを効率的に追跡します。
航空機のプライバシーを有効にしながら、なりすましやサービス拒否などのリスク要因を防止するためにNASAは、連邦交通局の義務付けた自動依存監視放送(ADS-B)システムをブロックチェーンベースで行うフレームワークを提案しました。
運輸省は今回の公表で、ブロックチェーンを介して保護されたアクティビティの記録を監視することでマシン動作の信頼性を確保し、うまく効果的に規制することのできる可能性がブロックチェーンにはあるとまとめています。